歯科処置について
当院では、犬猫の口内の健康を守るため、歯科診療も行っております。
一番相談が多い歯周病の診断・治療や、普段ご家庭でも可能な歯のケア方法、歯磨きの仕方など受け付けております。
お気軽にご相談ください。
歯周病とは
歯垢の中の細菌により
歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨
これらの4つの歯周組織が炎症を起こし、破壊される病気
歯周病の発生と進行
①唾液中の糖タンパクが歯の表面に付着
②細菌が増殖し歯垢が形成(細菌性歯垢=プラーク)(6~8時間で歯肉炎が発生)
③歯面でバイオフィルムを形成。バイオフィルム内の細菌は数千倍もの抗菌剤抵抗力を示す
歯周病が進行して引き起こされる病気
外歯瘻
炎症が根尖(葉の根っこ)の周囲で及び、根尖周囲の骨が溶けて、皮膚まで穴が開いた病態。炎症によって骨が溶かされ、瘻管(トンネル)が作られてしまい皮膚に穴が開きます。頬っぺたや下あごに起きやすい病気です。
内歯瘻
炎症が進み、歯周囲組織が破壊され瘻管が形成され、歯肉に穴が開く病態です。
口腔鼻膣瘻
根尖で炎症が進んだ結果、骨が溶けて鼻と通じてしまった状態。口腔と鼻腔を隔てる骨は非常に薄く、骨が溶けると容易に穴が開いてしまいます。クシャミや鼻汁、出血などの症状がみられることが多いです。
下顎骨骨折
小型県は下顎骨の大きさに比較して臼歯が大きく、下顎骨腹側近くまで歯根が存在す津ため、歯周病の悪化による病的骨折のリスクが高いです。
歯周病治療の流れ
①歯周病治療の検討
全身麻酔下での治療を計画
②術前検査
血液検査・X線検査など基礎疾患を検査
③手術の可否を決定
全身麻酔が可能な場合手術を予定。基礎疾患を認めた場合、そちらの治療を優先。
④全身麻酔下にてお口の中を丁寧にチェック
歯肉の炎症程度、歯垢・歯石の付着程度、歯の数の以上 不正咬合の有無、歯の動揺度(ぐらつく)などを検査します。
⑤歯垢・歯石を除去します(スケーリング)
・歯の表面に見える歯垢・歯石などの付着物を除去します。
・目に見える歯の表面だけでなく、目に見えない歯の歯周ポケット内の歯石を除去します。
⑥ルートプレーニングを行います
ルートプレーニングとは、歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去したあとに、歯垢・歯石の再付着を予防するために、歯肉に隠れている歯根の表面を滑らかにすることです。
無麻酔の歯石除去は行っておりません!
・歯と歯肉の間の歯垢を除去することができない
・無麻酔で口の中を全て見ることは不可能
・鋭利な器具で口腔内を傷つける恐れがあり危険
・歯肉は容易に傷付き、動物に痛みと恐怖感を与える
・動揺歯の歯石を無理に除去しようとして、病的骨折を誘発することがある