今日は飼い主さんから一番リクエストが多い手作り流動食の作り方を載せたいと思います。
まず一般的な手作り食を作る際もそうですが、体重に合わせて以下の材料の計算を行います。
①体重当たりに必要なタンパク質のグラム数を計算し、加える肉や魚の量を決定
②加えるタンパク源に対して適正な量の野菜、内臓肉、骨の量を計算し決定
③食餌を給餌する直前に加えるオメガ3脂肪酸の量を計算し決定
以上の項目が計算出来たら調理に取り掛かります。
今回は鶏の手羽元、ハツ、砂肝、膝軟骨を用意してみました。
購入先は美浜ニューポートにあるロピアです。
ロピアの良いところは鶏ハツが単品で販売されているところですね。
普通のスーパーだと鶏ハツとレバーがくっ付いた状態で売られているので、バランス的にレバーがかなり過剰になってしまいます(余ったレバーはヒトが食べればOK)。
ちなみに豚ハツも1個丸々売っています。イオンは豚ハツの切り身が売っていましたので見た目がダメな方は切り身を購入されるといいと思います。
よく飼い主さんに「先生~、内臓は見た目が気持ち悪いから触れない~!」って言われます(笑)。そういう場合は切り身を売っているスーパーを探してみましょう。
あとは皆さんにお勧めしているのがTWINBIRD社から出ているスロークッカーです。
http://www.twinbird.jp/products/ep4717.html
これはとても便利で、スイッチ入れれば翌日までほぼ何もしなくていい優れものです。
楽天などで3000円くらいで購入できますから是非お試しください。
豚の角煮とか作ったら美味しいですよ^^。
まずは手羽元のお肉を入れ、
お水を入れた後にりんご酢を1周グルっと入れます。
そして蓋をして弱火にスイッチを合わせて翌日まで様子を見ます。
使うお肉にもよりますが、今回は手羽元なので皮からの油が表面に浮いてきます。
その油はおたまで何回かとってください。
これでスイッチを着けてから24時間待ちます。
翌日スープが出来上がったら内臓肉を細かく切っていきます。
ステンレスのお鍋に入れて、
出来上がった骨スープを内臓肉の入ったお鍋に肉が浸るくらい入れます。
弱火で煮込みます。
グツグツと煮立ったら火を止めて10分間そのまま放置して蒸します。
これで蒸した内臓肉の出来上がり(A)。
24時間煮込んだ骨スープは手羽元の骨とお肉が自然と分離します。
このまま味付けして自分が食べたいですよね(笑)。
お肉(B)と骨に分けます。
骨は手で簡単に割れます。
キッチンバサミで細かくしていき、
骨の細切れが出来上がり。
骨を細かくしたものをミキサーに入れ、
骨スープをミキサーに加えます。
ミキサーを回し、これで骨のペーストの出来上がりです(C)。
ここまでの手順が一般的な手作り食の流れです。
(B)を中心に(A)と(C)を加え、これに野菜の量を計算し混ぜ、最後にオメガ3脂肪酸を添加すれば完成です。
手作り流動食はここまでで作り置きしてある、お肉、内臓肉、野菜を1回量それぞれ計算して分量を決定し、ミキサーの中で複数食分混ぜ合わせます。
流動食ですからお肉などをペーストにするための水分は作り置きしてある骨スープを使用します。
1度計算して回数分を統一しておくと次からだいたいの目分量でできます。
粘度が比較的低い方が、シリンジポンプやカテーテルから入れやすくなり、詰まりにくくなるので、そのバランスは骨スープの量で決めましょう。
最後の仕上げとして作り置きしてある骨のペーストを入れて出来上がりです。
肉、内臓肉、野菜、骨ペーストを作り置きしておけば簡単に流動食は作れますし、この流動食も作り置きが可能なので、あとは仕上げにオメガ3脂肪酸を追加するだけでOKです。
ここで作ったポタージュスープも皆さんにお配りしましたが、喜んで食べてくれた子が殆どで、手作り食やスープをご自宅で作られるようになった方が増えました。
重要なのは体重当たりに必要なタンパク質を計算して、それを中心に内臓肉、野菜、骨(カルシウム)、オメガ3脂肪酸を決めることです。
過剰にあげ過ぎてもそれぞれ良くないので、その子の疾患や嚥下能力に合わせて微調整することが大切です。