当院では動物に対する健康の維持、慢性疾患(癌、心臓循環疾患、腎臓病、老衰、白内障、アレルギー性皮膚炎、精神疾患、変性性脊髄症、椎間板ヘルニアなど)の治療補助の目的でリポカプセルビタミンCを処方しています。
ビタミンCはコラーゲン、L-カルニチン、特定の神経伝達物質の生合成に必要であり、タンパク質の代謝に関与します。
ビタミンCは重要な生理的抗酸化物質であり、体内でα-トコフェロール(ビタミンE)などの他の抗酸化物質を産生することが示されています。
動物においてはサル、モルモット、魚は体内でビタミンCを合成することができません。
ヒトも同様にビタミンCを合成できない為、野菜や果物などから摂取しています。
ビタミンCは口からの摂取では非常に吸収しづらく、すぐに体外に排泄されてしまいます。大量になればなるほどこの現象は強くなり、飽和限界を超えて摂取することは不可能と言われています。
そこでリン脂質によってできている超微細な球状のカプセルであるリポソームにビタミンCを閉じ込めることによって、消化液の影響や酸化から保護されながら消化管に運ばれ、直ちに小腸から吸収される特徴を持ちます。
リポソームビタミンC
ビタミンCをリポソーム化しることで、吸収できる限界の壁を超え、血中濃度が高まり、さらに持続性においても飛躍的に効果を高めることが分かっています(上のグラフ参照)。
エビデンス(証拠、根拠):STEPHEN HICKEY, HILARY J. ROBERTS, & NICOLAS J. MILER Journal of Nutritional & Environmental Medicine, 2008
体内におけるビタミンCの濃度が最も高い細胞・組織は白血球、眼、副腎、脳下垂体、脳内で、比較的低いのは血漿、赤血球、唾液のような細胞外液です。
加齢に関連した様々な疾患における酸化ストレスに対して抗酸化剤としてのビタミンCは動物に対しても有効とされ、米国の獣医栄養学専門医も他の治療との併用を推奨しています。
投与方法に関してはヒトとは少し異なる点がありますので、リポカプセルビタミンCを始める際は事前にご説明の時間を取らせていただいております。
当院での3割の飼い主さんは飼っているペットと一緒にご自身も飲まれています。