今回は抗アレルギー薬の使い方についてお話ししたいと思います。
何年か前までは「痒み」がある子に対してまず抗生物質・抗真菌薬・ノミダニ駆除をして感染症の除外をしたうえで抗アレルギー薬を使う事がスタンダードでしたが、今は考え方が変わっています。
感染症が起きている原因はCADで痒みと炎症が起き、肌のコンディションが悪くなることで皮膚表面の菌が増える為であり、抗アレルギー薬を使用しているときの方が感染症は起こりにくいとされています。
故に抗アレルギー薬でCADの症状を管理しつつ、前回のブログでお話ししたスキンケアや塗り薬のような負担の少ない外用で整えることが重要です。
各抗アレルギー薬の使うタイミングとしては以下の2つの期間に分けて適時処方しています。
①ガツンと症状をなくす期間(※ちなみにガツンとみかんというアイスが大好きです):約1カ月かけて治療
・ステロイド内服&外用(重症、中等症)またはアポキル(中 等症)を使用
・アポキルと併用しながらステロイド外用薬で局所炎症を緩和する
・アポキルと併用しながらアンチノールを使用するとアポキルの減量が可能
②ぶり返しを抑える期間(見た目は正常でも潜在的な炎症が存在する):継続治療
・アレルゲンの回避
・外用ステロイドプロアクティブ療法
・サイトポイント(月に1回の注射):アレルゲンに暴露される前に投与すると皮膚炎の発生率が有意に減少する
・アポキルまたはシクロスポリンで維持
・清肌&三仙(漢方)で維持
・すべての維持療法においてスキンケア(保湿剤)を併用する
このような流れて治療を進めていきます。各期間に使用する薬の種類は飼い主さんと相談して決めますが、薬が飲めない子、塗り薬が塗れない子、通院が苦手な子、シャンプーや沐浴が苦手な子とそれぞれですので、その子に合った対症療法を一緒に考えましょう。